ヒトラー・ナチスによる「共産党・マルクス主義」に対する定義・見方
『わが闘争』で露骨・鮮明に打ち出されたテーゼ
(注記:
ドイツ・ミュンヘン現代史研究所が、ヒトラーの『わが闘争』に、厳密な注釈を加えたものを出版した(Web-版)。
そのインターネット版も、この研究所のウェブサイトに掲載されている。世界中のだれもが、ヒトラーの言説を
批判的に吟味することができるようにしているのである。)
『わが闘争』目次
第一章 世界観と党
ブルジョア的「綱領委員会」(・・・これを徹底的に批判)
p.12 「腐敗したひきょうなブルジョア社会と、マルクシズムの征服」
同 「原理的な重要性をもったひとつの新しい世界観」
マルクシズムと民主主義の原理(・・・マルクシズムと民主主義の原理を否定・糾弾)
p.16 「マルクシズムにとって民主主義およびそれと関係しているすべてのものは,
最善の場合でも敵を無力にし、そしてかってに自由に欲する道を行くために用いる
目的達成のための手段に過ぎない」
p.17 「マルクシズムは、国民的精神を絶滅してやろうと決めている」
同 「赤色インターナショナルの旗手たちは、民主主義の良心に訴えるかわりに、
プロレタリア大衆にもえるような檄を発する。そしてかれらの闘争は、わが議会のカビくさい
議場の空気から一挙に工場で、また街頭で根を張るだろう。民主主義はそれでもってかんたんに
片づけられてしまうだろう。そして議会における民衆の使徒の知的な要領のよさではできなかった
ことが、扇動されたプロレタリア大衆の鉄槌やハンマーで、ちょうど1918年秋と同様に電光石火の
ように達せられるであろう。すなわち、西欧民主主義のやり方でユダヤ人の世界制覇に対抗できる
などとうぬぼれることが、いかに狂気じみているかを、それらはブルジョア社会の人々に痛切にわか
らせてくれるだろう。」
p.22 人種と人格に反対するマルクシズム
p.26 人種と人格に立脚する民族主義的態度
「これに反して民族主義的世界観は、人類の意義を人種的根源要素において認識するのである。
それは原則として国家をただ、目的のための手段と見、そして国家の目的としては人間の人種としての
存在を維持することと考える。だから民族主義的世界観は決して人種の平等を信じないばかりか、
かえって人種の価値に優劣の差異があることを認め、そして、こうした認識から、この宇宙を支配している
永遠の意志にしたがって、優者、強者の勝利を推進し、劣者や弱者の従属を要求するのが義務である、
と感ずるのである。したがって、原則的には、民族主義的世界観は自然の貴族主義的根本思想をいだき、
この法則がすべての個体にまで適用されることを信ずるのだ。それは単に人種間にある種々の価値の差異を
認めるばかりでなく、また一人一人の人間の価値にも差異があることを認めるのだ。
こうして民族主義的世界観は、解体的なマルクシズムと反対に組織的に働く。・・・
ある倫理的理念が、より高い倫理を持っている人種の生存をおびやかす場合には、民族主義的世界観はまた、
その理念に生存権を許容することができない。というのは、雑種化し、ニグロ化した世界では、すべての人間的な
美や崇高というような概念や、人類の将来を理想化しようとするあらゆる観念が、永久に失われてしまうだろうからである。」